お子さんやお孫さんが小学校に行く年齢になると、健やかな成長がとても嬉しくなるものです。
楽しい学校生活が送れるように、必要な学用品はしっかりそろえてあげましょう。
多くの小学校でランドセルが必要となりますが、どう選んだらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
最近は購入時期が早まりつつあり、人気の高いブランドのランドセルは、夏までの早い段階で完売してしまうこともあります。
まだまだ時間はあるとのんびり構えていると、良い物を買い逃してしまう可能性も。
購入を検討すべき時期や、選び方のポイントについて説明していきますので、参考にしてください。


ランドセルの購入時期について

出典:セイバン
ランドセルを購入するのは冬休み頃でいいと思っていませんか。
しかし、実はランドセルを購入する時期は年々早まっています。
ある調査では、もっとも購入が多い時期は「7月~10月」となっていて、これは実に全体の8割にあたるという結果がでています。
次いで「4月~6月」と「11月~1月」がそれぞれ1割前後。
年末から年始にかけて買っても間に合うものの、人気のブランドやデザイン、色が見つからないといった可能性もあるのです。
そのため、早い人ではほぼ1年前から準備しているのです。
早めに購入を検討をはじめると、それだけ多くの選択肢があり、お子さんが気に入るものが見つかる確率も高くなります。
ランドセルの購入の流れ
①カタログや資料請求開始

出典:セイバン
ランドセルはいろいろなところで買うことができます。
大手メーカーの直営店やランドセル工房の直営店もあれば、スーパーやショッピングセンター、デパートで扱っていることも。オンラインストアで買うこともできます。
大手メーカーや工房系の人気モデルは夏ごろに売り切れることもありますので、春ごろにはカタログや資料を取り寄せて、どれにするか検討を始めておくというのが最近の一般的な流れとなっています。
複数のメーカーの資料に目を通すことで、素材や形による機能の違い、メーカーによる特徴といった基本的なことがわかるようになります。
実物に触れた時により判断しやすくなりますので、目を通しておくことをおすすめします。
②展示会で実際に見る・触る
だいたいの希望が絞り込めたら、展示会に行って、実物に触れるようにしましょう。
この時はもちろんお子さんもつれていき、背負って感触を試してみてください。
素材や色も、カタログと実際に見るのとでは受ける印象が違う可能性があります。
フィット感だけでなく、物の出し入れがしやすいか、ひとりでも背負ったりおろしたりしやすいかなど、使いやすさも考えて選びましょう。
③購入する
最近は、実店舗で確かめてから、インターネットで購入するケースが増えています。
大手メーカーや工房系の店舗は数が多くないため、そう頻繁に足を運べないということもあるでしょう。
ネット購入ならいつでもどこでも注文できるというメリットがあります。
メーカー品の場合、ネット販売の方が価格が安くなっているケースも。
また、ネット購入者限定で学用品がプレゼントされるなどの特典をつけているところも多いです。


ランドセルの選び方
(1)素材と重さ

出典:土屋鞄
①人工皮革
ランドセルでもっとも使用されることが多い素材が人工皮革です。
軽量で、比較的低価格なのが大きなメリットです。
濡れた時もさっと拭き取ればよく、日常のお手入れが楽です。
使い込むうちに出てくる風合いのようなものは望めず、本革に比べると耐久性もやや劣る点はデメリットと言えなくもないですが、6年間使いこんでも問題はありません。
②牛革
質感や風合いが素晴らしく、根強い人気があるのが牛革です。
使い込んでいくうちに革製品独特の深みのある艶や味わいが出て、人工皮革にはない高級感が感じられるようになります。
ただし、牛の品種や使用している皮の部位、製造方法などによって多少質感は異なります。
牛革を希望するなら、現物をよく確認することをおすすめします。
やや重いことと、お手入れが必要なのがデメリットといえるかもしれません。
水に弱いので、濡れたらすぐに乾拭きし、しっかり乾燥させます。
汚れたらそれもすぐふきとる必要があります。
③コードバン
ランドセルに使われる素材には、人工皮革と牛革のほかにコードバンと呼ばれるものがあります。
これは馬のお尻にあるコードバン層を削りだしもので、たいへん希少性が高い素材です。
ほかとは違う高い品格があり、使い込むほどに艶と光沢が増すため、皮のダイアモンドと称されることも。
傷に強く、耐久性が高く、体になじみやすいのもメリットです。
水に弱いこと、重量があること、高額になってしまうことなどがデメリットとして挙げられます。
定期的なお手入れが欠かせませんが、お子さんが小さいうちは難しいので、保護者の方の負担になるかもしれません。
(2)背負いやすさ・使いやすさ

出典:セイバン
ランドセルは軽い方がいいと考えがちですが、単に軽ければ良いわけでもありません。
実際の重さより、背負った時のフィット感が大切です。
例えば、背面と肩ベルトをつなぐ背カンは、固定されているものより可動するものの方が背負いやすく、体にフィットしやすいです。
フィットすれば実際の重さよりも軽く感じられます。
6年で大きく成長しますので、肩ベルトの長さ調整がしやすい物を選ぶことも大切です。
背面部分はクッション性が高く、通気性もあるものがいいでしょう。
(3)デザイン

出典:セイバン
①色
ある通信教育会社が2012年に行った調査によると、男の子でもっとも人気が高いのは黒で、全体の6割をしめていました。
次いで紺、青という結果になっています。
女の子ではピンクが4割を超えてもっとも多く、ついで赤、水色でした。
ランドセルの色は、お子さんが好きなものを選ぶのが一番です。
ただし、あまり派手な色、お友達が使っていないような個性的な色にすると、高学年になってから嫌がる可能性も。
小学校によっては高学年になるとランドセルを使わない児童ばかりというところもあります。
中学年までしか使わないのであれば、個性的な色でも良いでしょう。
しっかり6年使う予定であれば、お友達ともなじみやすい色を選ぶのがおすすめです。
②刺繍などのデザイン
最近は、さまざまな色だけでなく、刺繍を入れられるものもたくさん発売されるようになりました。
刺繍入りのデザインは特別感がありますので子どもたちにも人気です。
刺繍だけでなく、箔押しやデザイン鋲などが施されていたりと、デザインも実にバラエティに富んでいます。
心配になるのが、低学年の内は良いけれど学年が進むにつれて恥ずかしく感じたり、飽きてきたりするのではないかということではないでしょうか。
これは、小学校の雰囲気とお子さんの性格にもより、気にならない子もいれば恥ずかしくなって使うのを嫌がる子もいるのが実情です。
そのあたりも考慮して選部必要があるでしょう。
刺繍を入れると耐久性が落ちるという意見もありますが、メーカー側でしっかり対策されていますので、その点の心配はいりません。
(4)値段
購入する際、多くの人がもっとも気にすることのひとつが価格でしょう。
1万円以下から50万円以上するものまでさまざまな価格で販売されてはいますが、大きく「4万未満」「4万から6万円」「6万円以上」の三つの価格帯にわけることができます。
これは、おおまかに、4万円未満は格安・4万から6万円が標準・6万円以上で高級と言ったところです。
価格に差が出るのは、素材やデザインの違い、工場生産か職人による手作りなのか、高級ブランド製かどうかといったことが要因です。
高ければ高いほど良いと言う物でもありません。
4万円以上、最低でも3万円以上のランドセルにすれば、品質や機能も一定水準以上あり、色やデザインも一通りはそろっていて選べることが多いです。
安すぎるものは、素材が良くなかったり、背あてにクッション性がない・長さ調整ができないなど機能面で劣っていたりといった理由がある可能性が高いので注意しましょう。
(5)容量

出典:セイバン
学用品を入れて運ぶのが目的のものですので、容量がどれくらいあるかは重要なポイントです。
最近はほとんどのメーカーのランドセルがA4フラットファイル対応サイズになっていますが、中には対応していないものもあります。
対応していないものを選ぶと、ファイルが入らず困ることになる可能性がありますので、念のため確認してください。
メインポケットやその前についているサブポケットの容量は、メーカーごと・ランドセルごとに異なります。
メインポケットにたくさん入れたい場合は、この部分の奥行きや高さを確かめると参考になります。
サイドポケットにゆとりがあるものを選ぶと、筆箱などのメインポケットにいれると迷子になりそうな物を別で入れておくことができます。
さらに、このふたつのポケット以外に小さなポケットが複数ついているデザインのものもあり、小物を別々に収納できて便利です。
入学後にどういった使い方をするかを考えて選んでください。
(6)安全性能

出典:セイバン
ランドセルは、お子さんが後ろに転んだ時にクッションとなり頭部を衝撃から守る役割があります。
それ以外にも、多くのメーカーが安全機能を高める工夫をしています。
たとえばリフレクター(反射板)は、車のライトを反射して光りますので、夕方や雨の日の事故防止に役立ちます。
リフレクターがついていない製品もありますが、その場合はステッカーやシールが販売されていますので、後で付けることも可能です。
横についているナスカンは給食袋や靴入れなどがかけられるようになっていますが、これがエレベータードアなどに挟まって事故につながることがあります。
事故防止の観点から一定以上の加重で外れるように設計されているものもあります。
ベルトの金具部分が体に当たっていたいことがあるため、当たらないように設計されているかも確認すると良いでしょう。
(7)6年間保証
基本的に6年間使うものですので、「6年間保証」のついているものを選ぶのがおすすめです。
ただし、保証される内容はメーカーによってさまざまですので、購入前にしっかり確認する必要があります。
保証期間内でも無償で修理してもらえるのは、劣化でベルトが切れた・自然と金具が脱落したといった通常の扱いをしていて起こった不具合のみが対象となることがほとんどです。
子どもがふざけて乱暴に扱って壊したといったケースでは、有償での修理となることがほとんどですので注意しましょう。
修理に数日かかる場合は、基本的には無料で代替のランドセルの貸与を受けられます。


ランドセル選びに迷ったらこのブランド
①セイバン

価格帯 | 50000円〜60000円 |
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ブランド特徴 | 天使のはね機能 |
セイバンは、大正8年創業の歴史あるランドセルメーカー。最大の特徴は、「天使のはね」機能です。これは肩ベルトの付け根部分が立ち上がることで、より身体にフィットさせるという機能のこと。背面とベルトをつなぐ背カンの左右が連動して動くので、重心が取りやすいのも特徴です。女子向けのカラーバリエーションが豊富です。デザインは、女子向けにはきらきらとしたお洒落なものが多く、男子向けは落ち着きが感じられるものが多い傾向にあります。価格帯は標準よりやや高めの傾向があります。体にフィットして動きやすいもので、なおかつ豊富なデザインから選びたい方におすすめです。
公式サイトはこちら
②萬勇鞄

価格帯 | 50000円〜60000円 |
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ブランド特徴 | 職人がひとつひとつ手縫いので作っている |
昭和25年創業の実績ある工房系の会社です。以前はオーダーメイド中心でしたが、近年はネット販売にも力を入れています。職人がひとつひとつ手縫いで作っていますので、完成度が高く、品質にも優れているのが特徴。牛革やコードバンだけでなく人工皮革も扱っていて、手縫いの本格的なランドセルが4万円台から購入できるのも嬉しいポイントです。デザインもカラーバリエーションも豊富です。ただし、例年早い段階で完売しますので、萬勇鞄で購入したいなら春から検討を始めることをおすすめします。
公式サイトはこちら
③ふわりぃ

価格帯 | 40000円〜60000円 |
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ブランド特徴 | ぴったんこラクティ機能より軽く感じる |
昭和23年創業の株式会社協和が展開するランドセルブランドのひとつがふわりぃです。名前からも想像できるとおり、とにかく軽いことが特徴です。もちろん、軽いからといって耐久性や機能面で劣ることはありません。肩の付け根が広がって立ち上がる特殊な形状の「ぴったんこラクティ」機能によって体にぴったりフィットすることで、実際の重量よりも軽く感じます。肩ひもにもクッション材がはいる「ふわりんこショルダー」などもあり、小さな体にかかる負担ができるだけ軽減するような工夫が随所に凝らされています。価格は標準かやや安い傾向があります。手ごろな価格帯で軽くて背負いやすいランドセルを探している方におすすめです。
公式サイトはこちら
ランドセルの選び方にはお子さんの意見も
ランドセルの選びかたについて紹介してきましたが、いかがでしたか。
基本的に6年間使うものですので、見た目や価格だけでなく、使いやすさや安全性など機能面でも納得のいく製品を選んであげてたいものです。
しかし、売り場に行って試着してみるだけでは、そのランドセルの良し悪しはよくわかりません。
まずはいろいろな資料を集めて、目を通し、基本的な情報を集めてみると良いでしょう。
また、最終的にはお子さんがしっかりと気にいるランドセルを選んであげましょう!
そして、ここで紹介したような点に注意して、もっとも合った良いランドセルを選んであげてください。